不特定多数の人が出入りし、マスクなどして顔を隠していても違和感がなく、犯罪のターゲットにされやすいと言われています。
また、患者数が多く、広い病院であれば死角や患者から目を離してしまうこともあり、病院内でのトラブルも起こりやすくなります。
不審者の侵入防止や院内での安全を図るためにも防犯監視カメラを導入する病院は増える傾向にあります。
■監視されていることをストレスに感じさせない
病院での防犯監視カメラの導入する際、プライバシーの問題がついて回ります。
通院や入院理由については人に知られたくない個人情報でもあります。そのため、防犯監視カメラで監視されることを問題視したり、患者のストレスに繋がるかもしれません。
病院で防犯監視カメラを設置する場合、出入り口や待合室などの「不特定多数の人が集まるエリア」と診察室や病室など「プライバシー性の高いエリア」に分けられます。
前者の場合、ボックス型など「監視されている」ことが分かるような存在感があるカメラを設置することで犯罪をさせにくい環境にして防犯性を高めることができます。
逆に診察室や病室ではドーム型などカメラの視線を直接感じにくいカメラの設置が望ましいです。
「監視されている」と意識してしまうと不快感やストレスを与える要因になってしまいますので、患者さんに対して配慮することが大切です。
■管理体制についての明文化と教育
防犯監視カメラの設置で起こるかもしれないプライバシーの侵害は主に次のようになります。
・肖像権の侵害
許可を得ずに撮影された映像が何かに使用された場合、肖像権の侵害にあたる可能性があります。
・守秘事項、個人情報の漏えい
また、通院理由や入院理由など、他人に知られたくないようなデリケートな情報を録画、録音される場合があります。管理がずさんだとその情報が外部に漏えいしてしまう恐れがあります。
・行動、移動の自由
行動が監視されていると感じてしまい、自由な行動や移動を制限してしまうことがあります。
これらのトラブルを防ぐためには、防犯監視カメラの利用目的をより明確に定義する必要があります。
また、カメラの利用方法や運用方法をマニュアル化して、スタッフに対して教育をしっかり行い、監視内容や個人情報を徹底的に管理する必要があります。
また、患者やスタッフなど被記録者から映像の開示を求められた場合に、開示できるような仕組みを作ることも大事になります。
■まとめ
病院は防犯性を高めなければいけないという反面、他人に知られたくない個人情報が多く集まる場所でもあります。
安全な管理体制を整え、かつ患者やスタッフに理解してもらうためにもプライバシー問題に留意した防犯監視体制を徹底することが大事になってきます。