防犯監視カメラを更衣室に設置導入するのは倫理上いかがなものか。というのは直ぐ分かるのですが法律上、設置導入してもいいのでしょうか。特に更衣室というのは非常にデリケートな場所でありその判断が難しいものです。弊社マルチック株式会社に寄せられるご相談の中でもこの更衣室に防犯監視カメラを設置導入してもいいものなのかというご相談を良く受けますのでご説明させて戴きたいと思います。
■実は明確に防犯監視カメラ設置の合法性判断基準に決まりはない
従業員やスタッフ、お客様が何らかの意図。
例えば仕事の制服や作業着に着替える、温泉や温浴施設で服を着たり脱いだりする。
肌着や下着、温泉や温浴施設では裸体になるのが前提です。
なのに”決まりはない”ってびっくりですよね。
基本的に裁判になったら【更衣室の防犯監視カメラはアウト】です。
しかし何故このようなプラバシーの侵害が発生しやすい場所にわざわざ防犯監視カメラを設置導入しなければならないのでしょうか。
その中の大きな原因が防犯面です。
更衣室は財布や時計、貴金属の盗難が兎に角多いです。
同じ職場の更衣室であっても、同じ趣味や目的を持って集まるスポーツイベントやサブカルイベント、くつろぎに来ているハズの温泉・温浴施設。
とにかく更衣室は盗難が多いので、それらを未然に防ぐ為に防犯監視カメラを設置しているという理由が多いのは確かです。
しかし前述したように”明確に防犯監視カメラ設置の合法性判断基準に決まりはない”のでは企業側や施設側、主催者側としては板挟みですよね。
片方では防犯体制に問題があったから盗難されたと訴えられ、イメージは落とされ。
また一方では更衣室まで監視されているなんて怖い…。
と。
では、一体どうすれば良いのでしょうか。
■更衣室への防犯監視カメラの設置が合法と認められる為には
どーうしてもなんらかの理由があり更衣室に防犯監視カメラが必要なんです!
という企業様や店舗様、主催者様ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
そんな場合は下記が絶対条件です。
・撮影目的が正当である
・撮影と目的がしっかりと合理性に基づいている
・他に同等の効果を齎す代替手段がない
・防犯監視カメラが無い事で受ける被害とのバランス
ここらへんが裁判などになった場合、しっかりと説明できるよう顧問弁護士にきっちりと相談をし対応を仰いだ方が宜しいかと思います。
盗難等の被害を食い止めるとしたら預かり所などを更衣室の手前に用意したり、そもそも持ち込み禁止にすることで【他に同等の効果を齎す代替手段がない】は説明が出来なくなります。
全裸が映る可能性を考えるとこれ以上無いプライバシーの侵害なので【防犯監視カメラが無い事で受ける被害とのバランス】も厳しいと思います。
それでもなんとかしたいという場合は【一定期間(1週間程度)で自動削除】【事件が起きた時のみ警察などの立ち会いのもと確認】【更に防犯監視カメラの有る旨を事前に告知】が条件でしょうか。
■まとめ
確かに貴重品管理の責任を企業側も負いたくないので自己管理がどこも基本です。
責任は負いかねます。という一文を良く見ます。
しかし、更に防犯監視カメラを設置していないとなれば盗難目的でお客様に紛れて侵入する輩も大勢いるのも確かです。
ゴルフ場の更衣室荒らしでカード情報を読み取る事件なども過去にありましたよね。
ハロウィンなどのコスプレイベント時も凄まじい件数の盗難事件が発生しています。
毎日同じ社員やスタッフが使う更衣室はこの現状を考えますとプライバシーの侵害の方が大きいので防犯監視カメラを設置導入するのは控え、不特定多数の人が出入りしたり利用する場合、施設側が更になんらかのアイデアを出して貴重品を管理できる、もしくは管理しやすい場所を提供し対応していくしかありません。
一番は防犯監視カメラがあってもなくても盗難をしないこと、させないことが重要です。
この問題はまだまだ動きがありそうですので弊社マルチック株式会社も防犯監視カメラの業者といたしまして逐一新しい情報をお伝えしていこうと思います。
更衣室の防犯監視カメラ問題でお悩みの会社様や旅館などの温泉・温浴施設様はお気軽にお話お聞かせくださいませ。
せっち角度などでプライバシーに配慮しつつ防犯面の精度を下げない試みも可能です。
